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太陽光発電の設置費用は5kWシステムで約115〜145万円が目安です。まとまった現金がなくても、ソーラーローンを使えば月々1万円前後から設置を始めることができます。本記事では、ローンの種類と金利の違い、月々の返済額シミュレーション、売電収入と電気代節約で返済をカバーできる条件を解説します。
なお、設置費用の詳細な相場については太陽光発電の費用相場はこちらで解説しています。本記事ではその先の「資金調達」と「損益判断」に焦点を当てます。
太陽光発電に使えるローンは3種類
太陽光発電の設置資金を調達する方法として、主に3種類のローンがあります。それぞれの特徴を理解したうえで、自分の状況に合った選択をすることが重要です。
ソーラーローン(太陽光専用ローン)
ソーラーローンは、太陽光発電システムの設置を目的とした専用ローンです。
一般的な金利帯は年1.5〜3.5%程度で、担保が不要なケースが多いのが特徴です。返済期間は10〜15年が一般的で、メーカーや販売店が提携する金融機関のローンでは、金利優遇が設けられている場合もあります。
設置費用だけを目的に借りられるため、審査の際に太陽光発電の売電収入が返済能力の判断材料になることがあります。
リフォームローン(住宅リフォーム全般)
リフォームローンは、外壁塗装や水回りのリフォームなど住宅改善全般に使えるローンです。太陽光発電もリフォームの一種として対象になります。
一般的な金利帯は年2〜5%程度で、ソーラーローン専用品より幅があります。蓄電池やオール電化と合わせて申し込む場合、まとめて借りられる点が利便性の面で優れています。住宅ローンを返済中でも、リフォームローンを併用できる金融機関も多いです。
住宅ローン(新築・借り換え時)
住宅ローンは3種類の中で最も低金利で、一般的な金利帯は年0.3〜1.5%程度です。ただし、利用できるのは新築住宅の購入時や住宅ローンの借り換え時に限られます。既築住宅で後付けする場合には使えないのが原則です。
新築で太陽光発電を組み込む場合、住宅ローンに設置費用を含めると、低金利のまま長期(35年まで)返済できる利点があります。
3種類の比較表
| 項目 | ソーラーローン | リフォームローン | 住宅ローン |
|---|---|---|---|
| 一般的な金利帯 | 年1.5〜3.5%程度 | 年2〜5%程度 | 年0.3〜1.5%程度 |
| 返済期間の目安 | 10〜15年 | 10〜20年 | 最長35年 |
| 担保の要否 | 不要なケースが多い | 不要なケースが多い | 住宅が担保 |
| 審査の通りやすさ | 比較的通りやすい傾向 | 標準的 | 厳格 |
| 利用できる場面 | 既築・新築問わず | 既築・新築問わず | 新築・借り換え時のみ |
| こんな人に向いている | 今すぐ既築住宅に設置したい | 他のリフォームとまとめたい | 新築住宅購入時に設置する |
※金利帯・条件は金融機関・時期によって異なります。実際の借入前に複数の金融機関で条件を確認してください。
なお、リース・PPA(電力販売契約)・0円設置といった「購入しない」選択肢については、本記事では扱っていません。別記事で詳しく解説予定です。
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ローン返済額のシミュレーション
実際に太陽光発電をローンで設置した場合、月々いくら支払うのかをシミュレーションします。
シミュレーション条件
本シミュレーションの前提条件は以下のとおりです。
| 条件項目 | 設定値 | 根拠・出典 |
|---|---|---|
| 設置費用 | 130万円(税込) | 5kW、kW単価26万円での試算。国の2026年度調達価格算定想定値25.5万円/kW(資源エネルギー庁)に近い水準 |
| 想定容量 | 5kW | 住宅用の一般的な規模 |
| 金利(パターンA) | 年2.5%(ソーラーローン想定) | 一般的な金利帯の中間水準 |
| 金利(パターンB) | 年3.5%(リフォームローン想定) | 一般的な金利帯の中間水準 |
| 返済期間 | 10年・15年の2パターン | 実務で多く使われる返済期間 |
※実際の設置費用や金利は業者・金融機関・時期によって異なります。補助金を活用した場合は実質負担額がさらに低くなる可能性があります(補助金制度の詳細はこちら)。
月々の返済額はいくらになるか
元利均等返済(毎月の返済額が一定)を前提に計算します。
計算式(元利均等返済):
月々の返済額 = 借入額 × [月利 × (1 + 月利)^返済回数] ÷ [(1 + 月利)^返済回数 − 1]
月利 = 年利 ÷ 12
この式を130万円に当てはめると、以下の4パターンになります。
| パターン | 金利 | 返済期間 | 月々の返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|---|---|
| ソーラーローン10年 | 年2.5% | 120回 | 約12,300円 | 約147.6万円 |
| ソーラーローン15年 | 年2.5% | 180回 | 約8,700円 | 約156.6万円 |
| リフォームローン10年 | 年3.5% | 120回 | 約12,900円 | 約154.8万円 |
| リフォームローン15年 | 年3.5% | 180回 | 約9,300円 | 約167.4万円 |
※試算は元利均等返済方式。実際の返済額は借入条件・金融機関によって異なります。
たとえばソーラーローンを年2.5%・15年で組んだ場合、月々の返済額は約8,700円です。これは住居の維持費として比較的小さな額といえます。
売電収入+電気代節約で返済をカバーできるか
5kWシステム(設置費用130万円)の年間メリット額(売電収入+電気代節約)を試算します。
試算の前提条件:
| 条件 | 設定値 | 根拠 |
|---|---|---|
| 年間発電量(5kW) | 約6,400〜7,300kWh | PVGIS 19年平均データ(都道府県によって差がある) |
| 自家消費割合 | 30%(売電70%) | 資源エネルギー庁の余剰売電比率に準拠 |
| FIT買取価格(1〜4年目) | 24円/kWh | 2026年度「初期投資支援スキーム」(資源エネルギー庁公式) |
| FIT買取価格(5〜10年目) | 8.3円/kWh | 同上 |
| 電力購入単価(節約単価) | 30.05円/kWh | 大手電力の家庭用電灯平均単価(2023年実績) |
※2026年度の「初期投資支援スキーム(1〜4年目24円/kWh)」を適用した場合の試算です。適用条件(設備認定時期・申請方法等)の詳細は資源エネルギー庁公式サイトでご確認ください。
※地域によって年間発電量が異なるため、以下の試算は全国中間的な水準(年間発電量約6,400kWh/5kW)を想定しています。北海道・東北では年間発電量が4,000〜4,500kWh程度になるケースもあり、当試算より年間メリット額が低くなる場合があります。地域別の詳細は投資回収シミュレーション記事をご参照ください。
年間メリット額の目安(5kW、年間6,400kWh想定):
| 期間 | 売電収入 | 電気代節約 | 年間メリット合計 | 月換算 |
|---|---|---|---|---|
| 1〜4年目(FIT24円/kWh) | 約10.8万円 | 約5.8万円 | 約16.6万円 | 約1.4万円 |
| 5〜10年目(FIT8.3円/kWh) | 約3.7万円 | 約5.8万円 | 約9.5万円 | 約0.8万円 |
※試算は参考値です。実際のメリット額は発電量・電気使用量・設置条件により異なります。
月々の返済額との比較:
- ソーラーローン15年(月約8,700円)の場合: 1〜4年目は月1.4万円のメリットが得られ、返済額を毎月約5,300円上回る計算です
- 5〜10年目はFIT価格が下がるため、月0.8万円のメリットと月0.87万円の返済が概ね均衡する水準になります
一般的な条件であれば、ローンを払い終えた後は、売電収入+節約メリットが手元に残りやすくなります(地域・設置条件によって異なります)。FIT期間(10年)終了後も、電気代節約の効果は続きます。
ただし、地域・設置条件・電気使用量によって結果は大きく異なります。上記はあくまで目安として参考にしてください。
ローン審査のポイントと注意点
ローンで太陽光発電を設置する際に知っておくべき審査の考え方と注意点を解説します。
審査で見られる項目(年収・勤続年数・他の借入)
ローン審査では、一般的に以下のような項目が確認されます。
- 年収と返済比率: 年間返済額が年収の30〜35%以内に収まるかが目安になることが多いです。ただし金融機関ごとに基準が異なるため、詳細は各社で確認が必要です
- 勤続年数・雇用形態: 安定した収入があるかが審査の重要な要素になります
- 他の借入状況: 自動車ローンや住宅ローンなど他の借入がある場合、合算した返済負担率で判断されます
- 信用情報: 過去の返済履歴が信用情報機関に照会されます
ソーラーローンは無担保のものが多く、住宅ローンの審査と比べると通りやすい傾向がありますが、必ずしも通過を保証するものではありません。
太陽光ローンならではの注意点
太陽光発電に特有のリスクについて、事前に把握しておきましょう。
返済期間とパネル寿命の関係
太陽光パネルの寿命は一般的に25〜30年といわれています(太陽光パネルの寿命はこちら)。ローンの返済期間が10〜15年であれば、ローン完済後もパネルは稼働し続けるため、この点は問題ありません。
売電収入の減少リスク(FIT期間終了後)
FIT(固定価格買取制度)の買取期間は10年です。10年後は売電価格が市場価格(現在の目安は約9〜10円/kWh)まで下がる可能性があります。ただし、電気代節約の効果は買取価格に関係なく続きます(FIT終了後の選択肢はこちら)。
金利タイプ(固定 vs 変動)の選び方
固定金利は返済期間中ずっと金利が変わらないため、返済計画が立てやすい特長があります。変動金利は当初の金利が低い場合がありますが、金利上昇時に返済額が増えるリスクがあります。長期のローンを組む場合は、固定金利で計画を立てる方が安定しやすいとされています。
悪質業者のローン勧誘に注意
太陽光発電の訪問販売では、ローンを悪用した勧誘トラブルが発生しています。国民生活センターによると、太陽光発電システムに関する点検商法の相談件数は2024年度に677件に達し、前年度(304件)の2.2倍に急増しています(出典:国民生活センター「太陽光発電システムの点検商法が急増!」2025年公表)。
特に注意が必要な勧誘トークのパターンを挙げます。
- 「実質0円」「ローン返済は売電でゼロになる」: 実際には売電収入だけでローンが全額カバーされるとは限りません。自家消費分はカバーされず、地域・条件によっても結果が異なります
- 「今日限りのキャンペーン価格」: 即決を迫る強引な勧誘は要注意です
- 「補助金が使えると言われて契約したが、実際には対象外だった」: 補助金の対象条件は金融機関・自治体によって異なります
万が一、強引な訪問販売でローン契約をしてしまった場合は、契約書面を受け取った日から数えて8日以内であればクーリングオフが適用されます(特定商取引法)。判断に迷う場合は消費者ホットライン(電話番号188)に相談することをおすすめします。
悪質業者の手口の詳細は悪質業者の勧誘手口と対処法はこちらでまとめています。
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太陽光発電は「投資」として成立するか
ローンを使った場合も含め、太陽光発電が投資として経済的に成立するかを整理します。
投資利回りの考え方
太陽光発電の投資利回りは、以下の考え方で計算できます。
計算式(実質利回りの目安):
実質利回り(概算) = 年間メリット額 ÷ 初期投資額 × 100
年間メリット額 = 売電収入 + 電気代節約額
以下の試算は参考値であり、実際の利回りは地域・発電量・電気使用量・設置条件によって大きく変わります。
前節の試算値(1〜4年目の年間メリット約16.6万円、5〜10年目約9.5万円)を5kWシステム(設置費用130万円)に当てはめると、1〜4年目で約12%、5〜10年目で約7%程度の計算になります。ただし、これはあくまで概算であり、実際の数値を保証するものではありません。より詳しい地域別の投資回収シミュレーションは投資回収シミュレーション記事をご参照ください。
ローン金利 vs 太陽光の実質利回り
ローンを使って投資する場合、重要な指標の一つが「実質利回り − ローン金利 = 純利益部分」です。
一般的な条件の試算では、実質利回り7〜13%(期間によって変動)に対し、ソーラーローン金利2.5%との差が純利益部分の目安になります。
ただし、この試算にはリスク要因があります。
- 天候・発電量の変動: 日照条件が悪い年は発電量が下がる
- 売電価格の変動: FIT期間終了後の売電価格は市場に依存する
- 故障・メンテナンス費用: 機器の故障やパワーコンディショナーの交換費用が発生する場合がある
これらのリスクを考慮したうえで、一般的な条件であれば太陽光発電は投資として経済的に成立しやすいといえますが、確実な利益を保証するものではありません。
太陽光発電のローンを活用した資産形成
経済的な効果は投資利回りだけではありません。
- 電気代の固定費削減: 将来の電気料金上昇リスクへの備えになります(電気代節約の詳細はこちら)
- 住宅価値への影響: ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を満たす住宅は資産価値の面でも評価されやすい傾向があります
- ローン完済後のフルプラス期間: 一般的に10〜15年でローンが完済し、その後は売電収入+節約が手元に残ります
太陽光発電のメリットとデメリットについては太陽光発電のメリット・デメリット一覧でも詳しく解説しています。
まとめ|ローンで太陽光を導入する判断チェックリスト
ローンで太陽光発電を設置するか判断する際の確認ポイントをまとめます。
判断チェックリスト:
- □ 月々の返済額(目安: 8,700〜12,900円)が家計に無理のない範囲か確認した
- □ 返済期間中の売電+節約メリットで返済の大半をカバーできる見込みか試算した
- □ 複数の販売店・金融機関から見積もりを取り、ローン条件を比較した
- □ ローン以外の選択肢(リース・PPA等)も確認した
- □ 「実質0円」「売電で返済ゼロ」等の過大な勧誘ではないか確認した
ローンを使って太陽光発電を設置した場合、一般的な条件では売電収入と電気代節約でローン返済の多くをカバーできる可能性があります。特に2026年度の「初期投資支援スキーム」では、1〜4年目のFIT買取価格が24円/kWhと手厚く設定されており、初期回収がしやすい制度設計になっています。
まずは複数の業者から無料見積もりを取り、自分の住宅条件・地域に合ったシミュレーションを確認することをおすすめします。
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よくある質問(FAQ)
Q: 太陽光発電のローンは何年で返済するのが一般的ですか?
A: 10〜15年が一般的です。2026年度は初期投資支援スキームによりFIT買取価格が1〜4年目24円/kWhと高く設定されているため、短めの返済期間でも売電収入でローン返済の多くをカバーできるケースがあります。ただし、返済期間が短いほど月々の返済額が上がるため、家計とのバランスを見て選ぶことをおすすめします。
Q: ローンの審査に落ちることはありますか?
A: 年収・勤続年数・他の借入状況・信用情報によっては審査に通らない場合があります。ソーラーローンは担保不要のものが多く、住宅ローンと比べると審査の手続きが異なりますが、必ずしも通過を保証するものではありません。複数の金融機関に相談することで条件に合ったローンが見つかる場合があります。
Q: 頭金なしでも太陽光発電を設置できますか?
A: フルローン(頭金なし・全額借入)に対応している金融機関もあります。ただし、頭金がない分だけ借入額が大きくなり、月々の返済額や総返済額も増えます。補助金を頭金として活用することで、借入額を減らして月々の負担を抑える方法も選択肢の一つです。
Q: ローンで設置して元が取れますか?
A: 一般的な条件(5kW・年間6,000〜7,000kWh発電・2026年度FIT適用)であれば、ローン完済後に投資回収が完了するケースが多いです。ローン返済中も売電収入と電気代節約でローン返済の多くをカバーできる可能性があります。ただし、地域・設置条件・電気使用量によって結果は異なります。詳しくは施工会社に個別シミュレーションを依頼することをおすすめします。