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屋根リフォームの費用は工事の種類によって大きく異なります。葺き替えは80〜200万円、カバー工法は60〜130万円、屋根塗装は20〜70万円、部分修理は3〜30万円程度が30坪の戸建てを目安にした相場です(2026年時点)。本記事では工法ごとの費用の違いと、自分の屋根にどの工事が合うかの選び方を整理します。
屋根リフォームの工事には大きく4種類ある
「屋根リフォームが必要かもしれない」と思ったとき、実際にどんな工事があるのかを知っておくことが費用を正確に把握する第一歩です。屋根リフォームは大きく4種類に分かれます。
葺き替え工法
既存の屋根材をすべて撤去したうえで、新しい屋根材を施工する根本的な改修工事です。撤去・廃材処分・防水シート・新規屋根材・下地補修まで含む工事のため費用は最も高くなりますが、屋根の下地(野地板)の状態まで確認・修繕できるのが強みです。
カバー工法(重ね葺き)
既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねる工法です。撤去・廃材処分が不要なぶん費用を抑えられ、工期も短くなります。ただし屋根の重量が増すため、建物の状態によっては採用できないケースもあります。
屋根塗装
防水性や美観を回復させるための塗装工事です。屋根材そのものは交換せず、塗膜で保護する方法のため工事費は4種類のなかで最も低くなります。ただし屋根材の劣化が進んでいる場合は塗装だけでは対応できません。
部分修理・応急処置
雨漏り箇所や破損した屋根材を局所的に修繕する工事です。全体改修の前段階として行われることも多く、被害が一部に限定されている場合に有効です。
| 工事の種類 | 費用の目安(30坪) | 工期の目安 | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| 葺き替え | 80〜200万円 | 10〜14日 | 築25年以上・大幅劣化・雨漏りの根本解決 |
| カバー工法 | 60〜130万円 | 7〜10日 | 築20年前後・劣化は中程度・下地が健全 |
| 屋根塗装 | 20〜70万円 | 3〜5日 | 築10〜20年・チョーキングや色褪せが見られる |
| 部分修理 | 3〜30万円 | 1〜2日 | 雨漏り箇所限定・破損した屋根材の局所補修 |
※費用は30坪(建築面積)の一般的な戸建て住宅を想定した目安です。屋根材の種類・建物の状態によって変動します。
工法別の費用相場一覧——葺き替え・カバー工法・塗装・部分修理
費用の全体像をつかむために、各工法の相場を坪数別に整理しました。
葺き替えの費用相場
葺き替えは撤去費・廃材処分費・防水シート・新規屋根材・野地板補修・足場代を含む総額です。リショップナビの調査によると利用者の平均費用は約158万円(2026年時点)です。
| 建物の大きさ | 費用の目安(標準グレード) | 費用の目安(高グレード) |
|---|---|---|
| 20坪(約42m²) | 60〜100万円 | 100〜160万円 |
| 30坪(約60m²) | 80〜140万円 | 140〜200万円 |
| 40坪(約80m²) | 110〜180万円 | 180〜260万円 |
| 50坪(約100m²) | 130〜210万円 | 210〜310万円 |
※坪は建築面積(建坪)を指します。実際の屋根面積は勾配・形状により異なります(出典:外壁塗装110番「屋根面積計算」ページ)。費用はスレート→ガルバリウム鋼板への葺き替えを標準ケースとした目安です。
葺き替え費用の詳細な内訳・屋根材別の比較については、専用記事をご覧ください。
カバー工法の費用相場
カバー工法は撤去・廃材処分費がかからないため、葺き替えより30〜50万円程度安くなるのが一般的です。リショップナビの利用者データでは、カバー工法の平均費用は約120万円(相場50〜150万円)です。
| 建物の大きさ | 費用の目安 |
|---|---|
| 20坪(約42m²) | 45〜80万円 |
| 30坪(約60m²) | 60〜130万円 |
| 40坪(約80m²) | 80〜160万円 |
| 50坪(約100m²) | 100〜190万円 |
※ガルバリウム鋼板(横葺き)での施工・足場込みの総額目安です(出典:リショップナビ カバー工法費用相場)。
カバー工法の坪数別詳細・後悔しないための選び方については、専用記事で詳しく解説しています。
屋根塗装の費用相場
屋根塗装は塗料グレードによって費用が変わります。テイガク(国土交通大臣許可建築板金工事会社)の定額料金表および複数施工業者の公表価格に基づく目安は以下のとおりです。
| 塗料グレード | 30坪の費用目安 | 耐用年数の目安 |
|---|---|---|
| シリコン塗料 | 20〜35万円 | 8〜15年 |
| フッ素塗料 | 30〜55万円 | 15〜20年 |
| 無機塗料 | 40〜70万円 | 20〜25年 |
※足場・高圧洗浄・下地処理・塗装工程込みの総額目安です(出典:テイガク定額料金表、複数施工業者公表価格をもとに作成)。
部分修理の費用相場
棟板金交換は5〜20万円、漆喰詰め直しは1m当たり4,000〜8,000円、雨漏り補修は被害の範囲によって1〜30万円程度が目安です(出典:テイガク定額料金表、外壁塗装110番等)。
どの工事を選ぶべきか——屋根の状態別の判断基準
費用の全体像がわかったところで、「自分の家にはどの工事が合うのか」を整理します。工法の選び方は主に「築年数」と「現在の症状」の組み合わせで考えます。
築10〜20年 + 色褪せ・チョーキングが見られる場合
屋根塗装が第一候補です。チョーキング(塗膜が粉状になる現象)や色褪せは防水性が低下しているサインですが、屋根材そのものが大きく傷んでいるわけではない段階です。この時期に塗装でメンテナンスしておくことで、葺き替えやカバー工法を先送りできます。
築20〜25年 + 一部破損・雨漏りの初期症状がある場合
カバー工法または部分修理が選択肢になります。ただし雨漏りが発生している場合は原因箇所の特定が先決です。塗装では雨漏りの根本的な解決はできません。業者による現場診断で下地(野地板)の状態を確認してから判断することをおすすめします。
雨漏りが発生している場合の対処法については、こちらの記事も参考にしてください。
築25年以上 + 大幅な劣化・棟板金の変形がある場合
葺き替えが推奨される段階です。屋根材の劣化が全体に及んでいる場合、部分修理やカバー工法では数年後に再度大規模工事が必要になるリスクがあります。下地ごとリフォームすることで、次のメンテナンスまでの期間を長くとれます。
工法選びの基本的な考え方
どの工事が適切かは目視だけでは判断できません。屋根の下地(野地板)の腐食状況は、実際に屋根材をめくらないと確認できないためです。複数の業者から無料診断を受け、状況を比較することが重要です。
また、「費用が安い工法」が必ずしも得とは限りません。下地の傷みが進んでいる状態でカバー工法を施工すると、数年後に下地交換を含む葺き替えが必要になり、結果的に費用が増える場合があります。
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費用以外に影響するコスト——足場代・廃材処理費・追加工事費
見積もりが想定より高くなる主な理由は、「本体工事以外のコスト」にあります。事前に把握しておくことで見積もりの内訳を確認しやすくなります。
足場代(10〜27万円程度)
屋根工事では原則として足場の設置が必要です。テイガクの定額料金では825円/m²(養生シート込み)で、30坪の2階建て住宅では18〜22万円程度が目安です。
足場代を節約する方法として有効なのが、外壁塗装との同時施工です。外壁と屋根を同時にリフォームすると足場代を共有できるため、合計費用で10〜20万円程度の節約になります。
廃材処理費(葺き替えのみ:3,000〜5,000円/m²)
葺き替えでは既存の屋根材を撤去するため、廃材処分費が発生します。スレート(コロニアル)の場合は3,000〜3,300円/m²(アスベスト含有の場合はさらに約2,000円/m²の追加)、粘土瓦の場合は3,500〜5,000円/m²程度が目安です(出典:テイガク定額料金表)。カバー工法はこの費用が不要なため、葺き替えとの比較では大きな差になります。
下地(野地板)の追加補修費(2,000〜3,200円/m²)
葺き替え工事中に野地板の腐食が見つかった場合、追加の補修費が発生します。テイガクの定額料金では野地板重ね張り3,190円/m²(税込)が目安です。見積もり時に「下地の状態が悪い場合の追加費用の上限はいくらか」を確認しておくと安心です。
棟板金・雨どい補修の追加費用
屋根工事と同時に棟板金の交換(5,500〜7,000円/m)や雨どいの補修を行うと、追加費用が発生します。足場が必要な工事をまとめて行うことで、後日単独で足場を組む費用を省けます。
見積もり時に確認したいポイント
- 足場代は工事費に含まれているか(別途見積もりではないか)
- 廃材処分費は込みの金額か
- 下地が傷んでいた場合の追加費用の上限はいくらか
- 棟板金や雨どいの状態確認を診断に含めてもらえるか
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補助金・助成金で費用を抑える方法
屋根リフォームは、国や自治体の補助金を活用することで費用を抑えられる場合があります。
国の補助金制度(住宅省エネ2026キャンペーン)
国土交通省・環境省が推進する「住宅省エネ2026キャンペーン」の一環として「みらいエコ住宅2026事業」が実施されています(2026年度)。屋根の断熱改修を含む省エネリフォームが対象で、改修前後の断熱基準の改善度に応じて最大100万円/戸の補助を受けられます(最低申請額5万円以上)。
屋根の断熱改修は、改修の範囲(天井全体/部分、断熱材の種類・厚み等)と断熱基準の改善度によって補助額が設定されています。
具体的な補助額・要件は年度ごとに見直されるため、工事前に「住宅省エネ2026キャンペーン」公式サイトおよび登録事業者で最新情報を確認してください。
自治体の補助金・助成金
住宅リフォームに対する補助金・助成金は市区町村によって設けられており、屋根工事が対象になる場合があります。金額や条件は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の建築住宅課や担当窓口にお問い合わせください。
火災保険の活用
台風・強風・大雪など自然災害が原因の屋根損傷は、火災保険(風災補償)が適用できる可能性があります。ただし、経年劣化による損傷は対象外です。保険申請には業者による被害状況の書類が必要になるため、損傷に気づいたら早めに確認することをおすすめします。
補助金活用の注意点
補助金は原則として「工事着工前の申請」が必要です。また、対応している施工業者でなければ補助金申請の補助が受けられないケースもあります。業者選びと同時に補助金の適用可否を確認するのが効率的です。
よくある質問
外壁塗装と屋根リフォームを同時に行うとお得ですか?
足場代を共有できるため、同時施工は費用を抑えられます。屋根と外壁を別々にリフォームすると、それぞれで足場代(10〜27万円程度)が発生します。同時施工なら足場代は1回分で済むため、トータルコストを削減できます。ただし、工事期間中は騒音や生活への影響が長くなる点も考慮してください。
雨漏りがある場合、塗装だけで修理できますか?
雨漏りは塗装では根本的に直りません。雨漏りは屋根材の割れ・浮き、防水シートの劣化、棟板金の浮きなど、さまざまな原因で発生します。塗装は防水性を補強する工事ですが、すでに水が浸入している状態では効果がありません。まず業者による原因箇所の特定と修繕が先決です。
火災保険で屋根リフォームの費用を賄えますか?
台風・強風など自然災害が原因の損傷は使える可能性があります。火災保険の風災補償が対象となるのは、自然災害(台風・強風・大雪・雹など)による損傷です。経年劣化や施工不良は対象外です。申請には業者による被害状況の書類作成が必要になります。
カバー工法と葺き替え、費用はどのくらい違いますか?
カバー工法は葺き替えより30〜50万円程度安くなるのが一般的です。撤去・廃材処分費が不要なことが主な理由です。ただし下地(野地板)の状態が悪い場合はカバー工法が適用できないため、業者による現場診断を踏まえて選択することが重要です。
屋根葺き替えに建築確認申請は必要ですか?
建物の主要構造部に該当しない範囲の改修は申請不要なケースが多いですが、建物の規模や構造変更を伴う場合は確認が必要です。具体的な判断は施工業者または建築士に確認することをおすすめします。
まとめ
屋根リフォームの費用は工事の種類によって大きく異なります。
- 葺き替え(80〜200万円):下地から根本改修。築25年以上や大幅劣化に向く
- カバー工法(60〜130万円):撤去不要で費用を抑えられる。下地が健全な場合に適用可
- 屋根塗装(20〜70万円):軽度の劣化に対応。定期メンテナンスとして有効
- 部分修理(3〜30万円):雨漏りや局所損傷の応急・補修
どの工事が適切かは、築年数・屋根材の種類・現在の症状によって変わります。業者による無料診断を受け、複数社の見積もりを比較することが費用を適正に抑える基本です。
補助金(住宅省エネ2026キャンペーン等)や火災保険の活用で自己負担を減らせる場合もあります。工事着工前に確認しておきましょう。
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